シンガポール、世界最大の国際EC企業を買収

Stripeの調査によると、シンガポールのオンライン企業は最も「国際事業に注力」しており、企業の88%が海外展開を行っていることが示されています。

2019 年 05 月 , by

Stripeの調査によると、シンガポールのオンライン企業は最も「国際事業に注力」しており、企業の88%が海外展開を行っていることが示されています。これらの企業の約4分の3は、初年度にさらなる展開を計画しており、国外に展開していない企業よりも141%速く成長しています。

これに伴い、弊社の最新のレポート「アジアの上位eコマース都市」における調査によると、シンガポールのeコマース市場は非常に成熟しており、十分に発達したインフラと高い所得水準に裏付けられ、デジタルにも精通した少数ながらも裕福な約600万人の人口を抱え、最も洗練された市場の1つとなっていることが明らかになっています。シンガポールは、大阪、ジャカルタ、ソウルなど多くの都市と並んで、アジアの上位eコマース都市の1つに含まれています。

このレポートにおいて、シンガポールの人々はテクノロジーに非常に精通しており、インターネット利用率は81%、デジタルバンキングの浸透率は98%、総人口560万人のうち全体で427万人がスマートフォンユーザーであることが示されています。クレジットカードの使用率も高く、同国はeコマースが身近に利用されています。シンガポールのeコマース市場は、2020年には74億米ドルの規模にまで成長する見通しです。

しかし、シンガポールの人口が少なく、人口成長率も低いことが、現地のeコマース市場にとって脅威となり、国内の顧客ベースの拡大が進まない可能性があります。また、この地域の人件費が高いため、eコマース企業は、インドネシア、タイ、ベトナムなどの近隣諸国と比較して、シンガポールで事業を開始し、運営するためには多額の投資が必要となります。

eコマースのロジスティクスにおける地域拠点

シンガポールは、東南アジア市場に参入するための基盤となるインフラと労働力を備えており、製品の持ち込みと配送に必要となる堅牢なインフラを備えた地域拠点として機能します。シンガポールの良好なインフラと、空路および海上輸送の両方で地域の物流拠点として従来からの果たしてきた役割は、国内と地域内の両方で成長するための確かな原動力となっています。航空輸送の接続性に優れることから、価格競争力のある国外からのB2B向け輸送料金や東南アジアの他の主要国向けの国境を越えてのB2C向けラストワンマイルサービスを提供しています。

シンガポールは、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイなどの他の近隣諸国と比較して、輸出入にかかる時間が最も短い国です。シンガポールで輸入される商品の通関手続きには、30時間程度を要します。これは、この地域の他の国で輸入された商品が要する時間の約3分の1です。

シンガポールは健全な金融部門を備え、安全な避難先として高い評判を得ていることから、eコマースの地域拠点として位置付けられています。税制度やACE(Action for Community Entrepreneurship)で示されるその良好な規制環境は、シンガポールにおけるeコマースの魅力を説明付けるものです。さらに、シンガポールは港湾施設、航空輸送施設、小売・流通ネットワーク、道路網などのインフラに関して、リスクスコアが最も低いことも示されています。

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