2020年に1300億米ドルに到達するインドネシアのデジタル経済

インドネシアのデジタル経済は、eコマース業界における7つの主要な課題を対処できれば、1300億米ドルに達するとみられています。

2019 年 05 月 , by

通信情報省は、インドネシアのデジタル経済は、同国がeコマース業界における7つの主要な課題を対処できれば、1300億米ドルに達することも可能であると述べました。Project Management Office and Digital Economyの特別職に就くLis Sutjiati氏によると、これらの課題には、資金調達、インターネットの速度、税金、個人データの保護が含まれます。

同省は、インドネシアのインターネット速度は依然として遅いとみなされていると述べました。さらには、同国のeコマースにおける顧客保護とサイバーセキュリティにも同省は懸念を抱いています。上記に加えて、インドネシアの物流コストは最も高価なレベルにあります。インドネシアでデジタル人材が不足していることも、eコマースの発展にとって最大の課題の1つと考えられています。Sutjiati氏はまた、eコマース企業に課されている税金が、これらの企業の成長の妨げとなっている可能性があると述べています。

これらの主要な課題に対処するために、政府は18の省庁間で協力を進める必要があります。課題はテクノロジーや情報分野に関係するものにとどまらないため、全ての省庁がデジタル経済のステークホルダーと協力し、これらの問題に対処するための解決策を策定してきました。インドネシアのeコマースシステムの全ての主要企業との関わりを通じて、政府は2017年大統領令第74号のロードマップeコマース2017-2019に記載された解決案を策定しています。

首都ジャカルタのeコマース市場

インドネシアの首都であるジャカルタは可能性を秘めた都市ではあるものの、いくつかの障壁が存在します。通信情報省の声明に基づき、弊社の最新のレポート「アジアの上位eコマース都市」では、インフラ面において、特にクレジットカードやデジタルバンキングの浸透度が低いジャカルタには少し課題がみられると分析しています。さらに、弊社のリサーチによると、ジャカルタのエコシステム、競争力、顧客行動は12カ国の中で6位にランクインしています。他に注目すべき点としては、業界に対応するための人的資源に限りがあることと、政府の支援が欠如していることが挙げられます。

3000万人以上の人々が居住するジャカルタは、最も活動的な都市の1つと考えられています。さらに、その物理的な発展以上に、同市のeコマース環境は間違いなく見逃せません。弊社のレポートによると、ジャカルタは、バンコク、上海、ソウル、および他の多くの都市と並んで、この地域で最もeコマースが発達した都市の1つです。弊社のリサーチによると、増加し続ける豊富な中間層人口、小売市場規模、日々のインターネット利用、eコマースの最大の顧客であるミレニアル世代の存在などが、この業界におけるジャカルタの魅力を裏付ける要因です。

ジャカルタのインターネット普及率は72%、デジタルバンキング普及率は29%、小売市場の規模は1300億米ドル相当です。このデータは、起きている時間の半分以上にあたる、9時間というジャカルタのインターネット利用の平均時間によってさらに支えられています。その上、インドネシアの一部の大手eコマース企業は、投資ポートフォリオによりeコマースに関する重要な経験をもたらす大規模な国際ベンチャーキャピタルやプライベート・エクイティ・ファンドから資金の大部分を頻繁に調達しています。国際的な投資家のジャカルタへの注力は、eコマース市場の成長を加速させるうえでも役立っています。

さらに、ジャカルタのeコマースの成長は、従来のレンガとモルタルの店舗との向き合い方など、消費者行動の変化によって促進されている面もあります。今日の消費者は、店舗で購入する前にプロモーションや価格をオンラインでチェックする傾向があり、これはeコマースサイトにとってもう1つの重要なタッチポイントであり、新たなベンチマークプラットフォームとしての役割を果たしています。

他のインサイトを見る

レポート一覧を見る

メールアドレスを登録すると、アジア市場に関する最新情報およびホワイトペーパーを受け取ることができます