中国の新エネルギー車（NEV）産業は、政府が今後数年で販売台数を増やすことを打ち出し、急速な発展を遂げています。また、多くのOEM各社は最新の自動車関連テクノロジーの開発を推進しています。すでに自動車のインターネット化は避けられないトレンドとなっており、Internet of Vehicles（IOV）は、ユーザーへよりスマートな運転体験、効率的で環境に優しい交通システムを提供することで、中国の自動車業界を根本的に変えようとしています。
中国政府は自動車業界おけるIOVの浸透を強力に推進しており、同国のIOVユーザーは2017年で1,780万人に及び、世界で最も重要な市場の一つとなっています。弊社推計に基づくと、2020年の中国IOV市場は3,120億元（約4.8兆円）、CAGRは55.5％に達する見込みとなっています。
多くの大手OEM、スペアパーツメーカー、BAT（バイドゥ、アリババ、テンセント）がIOV市場に参入し、ADAS、T-box、音声対話システムなど、それぞれの分野で強力なシェアを誇っています。IOV産業が進化し続ける中で、IOV技術の開発により、より高度なアプリケーションが実現されることは間違いありません。
中国自動車産業におけるIOVの未来
本レポートでは、IOVの定義、市場動向・予測、そしてそれによって応用・実現される主要技術を紹介しています。また、IOVに大きく影響される3つの主要アプリケーションについて、ADAS、インテリジェント車両端末、音声対話システムについて詳細に紹介しています。IOV市場は、このビジネスに新たに参入しようとしている新規プレイヤーにとっても、まだ未開拓な領域の残る魅力的な市場の一つだと思われます。